
一般社団法人日本デジタル歯科学会
理事長 末瀬一彦
今夏は異常気象の影響で厳しい酷暑が続き、各地ではゲリラ豪雨も発生しました。また、南海トラフを想起させる地震が発生し、災害対策について改めて認識する機会となりました。
本学会も会員数が1,000名を超え、賛助企業も60社を数え、ますます活動力が高まっています。会員諸氏にあらためて感謝と御礼を申し上げます。
さて、令和6年度の社会保険診療報酬の大幅な改定が行われましたが、とりわけ、医療DXの推進から医療情報のIT化、医療機器のデジタル化が導入され、日常臨床に大きな影響を与えています。オンライン資格認証、オンラインレセプト請求、電子カルテなど国家主導によって進められ、対応できない歯科医療機関は閉院にまで追い込まれています。歯科技工所との連携加算では、デジタルツールを用いて情報共有を行うことが推奨される保険点数評価になっています。さらにCAD/CAM冠の適用拡大とともにCAD/CAMインレーに限定されているが、口腔内スキャナーが医療保険に導入されたことは画期的なことです。海外では矯正治療やインプラント治療などの自費診療に用いられている口腔内スキャナーが日本の皆保険制度に収載されたことは、国民に先進医療を提供するうえで極めて有意義です。口腔内スキャナーは初診時の口腔内情報の取得、学校健診、職場健診、国民皆歯科健診等への適用によってデータとして保存、活用できることから将来的な歯科診療にも活用できるとともに、災害時の身元確認や疫学調査にも活用できます。口腔内スキャナーの適用を拡大するために啓蒙活動を行うのも本学会のミッションです。
今後さらなる会員の皆様方のご健勝とご活躍を祈念申し上げます。
TOPIC

日本デジタル歯科学会 第16回学術大会
新谷 明一
日本歯科大学生命歯学部歯科理工学講座 教授
一般社団法人日本デジタル歯科学会第16回学術大会を2025年5月10日(土),11日(日)の両日にわたり,日本歯科大学にて開催致します.
日本デジタル歯科学会が,日本歯科CAD/CAM学会として発足してから15年が過ぎ,歯科におけるデジタル化は急速な進化を遂げてきました.日常臨床の中では日本独自のCAD/CAM冠やPEEK冠といった材料面からのデジタル化だけでなく,保険診療で口腔内スキャナーが利用可能になるなど機器面でのデジタル化も果たしてきました.そこで今回メインテーマを「デジタル技術の潮流と革新 -デジタル技術は歯科医療を変革したか?-」としました.特別講演では,デジタル技術が歯科界に与えたインパクトや臨床術式の変化についてお話しいただく予定です.また,デジタル技術を援用した歯科臨床の到達点,法改正でデジタル印象採得装置が認証されて10年間でどこまで来たのか,3Dプリンターの活用法の変化など,歯科におけるデジタルの変革を具体的に知れるシンポジウムも予定しております.その他に,企画講演や特別セミナー,歯科技工士,歯科衛生士を対象とした特別セミナーも計画しています.もちろん専門医ならびに技術認定士のケースプレゼンテーション,ポスターセッション,一般口演も募集致しますので,奮ってご応募ください.
2011年に大会を開催した東京飯田橋で,最新のアップデートについて大いに語り合いましょう.
大会校一同,皆様の今後の技術の向上,知識の獲得に役立つ学術大会になるよう鋭意準備を進めていますので,本学会会員のみならず,多くの皆様のご参加をお待ちしています.
■詳細につきましては、大会ホームページをご参照ください。
https://jadd16.com/


『歯科診療に関連するデジタル技術の専門的知識ならびに臨床技能・経験を有する優れた歯科医師をデジタル歯科専門医として認定し、デジタル機器の基礎知識ならびに最新情報を普及することを目指し、本会での講演等、その進歩・発展に寄与できる指導的人材を養成することを目的とする。』

下記の3つの条件を満たすこと。
- 日本国歯科医師免許を持つこと。
- 本学会会員歴3年以上
もしくは、日本歯科医学会専門分科会専門医の資格を有し、本学会会員歴1年以上。 - 必要な研修単位を取得していること。
学会やセミナーへの参加、学会発表および論文投稿により単位を取得します。
ハードルが高いように見えますが、論文投稿については、本学会学術誌および認定学術誌のほか、認定定期発刊雑誌への投稿も認められているため、挑戦しやすいと思います。是非、チェックしてみてください。

下記の3つ合格すること。
- 臨床実技試験(IOSコンペティション含)
- 専門医筆記試験
- ケースプレゼンテーション(発表当日 口述試験)
先生方が普段使い慣れた機種で試験を受けることができます。


筆記試験はデジタルデンティストリーの基本的知識を問うものです。
参考図書を紹介します。

専門医制度委員会
委員長 小川 匠 幹事 井川知子
編集委員会より

先日9月27日(金)に日本デジタル歯科学会誌14巻2号が発行され、学会HPに掲載されました。会員の皆様、お読みいただけましたでしょうか。
今号は原著論文1本の掲載、また後付に第15回学術大会(長崎)で行われました日本歯科医学会プロジェクト研究についての学会報告が掲載されております。
当日行われた講演や触覚伝送システムを用いた歯型彫刻紹介の概要が記載されていますので、ぜひご覧いただけますようお願いいたします。
【冒頭を見る】学会誌ページ
【全文を見る】会員専用ページ(ID・パスワードが必要です)
なお、次号の学会誌14巻3号(2025年2月末発行)のご投稿も受け付けておりますので、引き続きよろしくお願い致します。
編集委員会 委員長 金田 隆
学術賞には、DigitalScience Award(DSA)および学術奨励賞があります。
DigitalScience Award(DSA)は、本会の学術分野において特に顕著な功績が認められたものに与えられる賞で、学術奨励賞は大学院生ならびに若手研究者に与えられる賞です。
昨年度、DigitalScience Award(DSA)には2名の公募がありましたが、受賞者はいませんでした。学術奨励賞には4名の公募があり2名が受賞されました。
優秀賞には、優秀論文賞および優秀発表賞があります。
優秀論文賞は、表彰時期前年の1月から12月に本会会誌、デジタル歯科関連雑誌(電子版を含む)に掲載された学術論文筆頭者に与えられる賞です。優秀発表賞は学術大会において優れた発表をおこなった筆頭発表者に与えあれる賞です。昨年度、優秀論文賞には3名の公募があり1名が受賞され、優秀発表賞は2名が受賞されました。
年々公募は増えていますがまだ少ないため、先生方の公募をお待ちしております。
顕彰委員会
9月20日~24日に日本デジタル歯科学会2024年度夏季セミナー(WEB)を開催し、総数89名(会員65名、非会員24名)にご参加いただきました。
今回メインテーマは、「口腔内スキャナー&CAD/CAMインレー 成功するための実践セミナー」を掲げました。これは本年6月の保険改定でCAD/CAMインレー製作時の光学印象が新設されたことをうけて、会員の皆様に改めて口腔内スキャナーとCAD/CAMインレーの臨床上の注意点・勘所に関する情報をお伝えすることを目的としました。
講師陣としては、北道敏行先生(きたみち歯科医院)、一志恒太先生(福岡歯科大学)、小池軍平先生(小池歯科医院)、星 憲幸先生(神奈川歯科大学)の4名にご依頼し、豊富な臨床経験に基づいた独自の知見をご披露いただきました。講師の皆様にはお忙しい中セミナーをお引き受けいただき、この場を借りて心より感謝申し上げます。
学術委員会では常にタイムリーで魅力的なテーマと講師陣を選定した企画を目指しています。次は冬季セミナー開催に向けて検討を始めていますので、皆様からも希望する企画がありましたら、是非ご提案ください。

学術委員会 委員長 疋田一洋
令和6年6月,一部の適応ではありますが,ようやく口腔内スキャナーが保険収載され今後一層の普及が期待されています.
教育問題委員会では, IOSの歯科臨床への浸透を目的として,印象採得に留まらず,患者教育や口腔衛生指導への活用を推進する「歯科衛生士のためのIOSセミナーを開催します.今年で第3回となり,2024年12月22日(日)モリタデンタルプラザ東京での開催です.セミナーの冒頭,吉久保典子(小池歯科医院)先生から「明日やってみたくなるIOSの臨床応用8選」のご講演を賜り,その後,プライムスキャン(デンツプライシロナ社)、Trios(3shape社)、iTeroエレメント(インビザライン社)のメジャーIOS3機種を用いた模型実習ならびに相互実習により, IOSの有用性を存分に体験いただく予定です.
本企画が歯科衛生士会員の増加に繋がることもおおいに期待しています.
教育問題委員会
賛助会員企業からの製品紹介
〒140-0001 東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー13階
TEL:03-6408-4182
HP:https://www.nobelbiocare.com/ja-jp
文責:日本デジタル歯科学会広報委員会
一般社団法人日本デジタル歯科学会 メールマガジン
JADD MAGAZINE No.7 2024年10月号
編集・発行元:日本デジタル歯科学会広報委員会
発行日:2024年10月24日