
一般社団法人日本デジタル歯科学会
理事長 末瀬一彦
歯科用3Dプリンターに注目!
世界の歯科3Dプリンター市場規模は2024年に1億5,860万米ドルで、市場は2025年の1億7,410万米ドルから2032年までに3億4,520万米ドルに成長すると予測され、予測期間中は10.3%のCAGRを示している。北米は、2024年に39.6%の市場シェアで歯科用3Dプリンター市場を支配した。歯科用3Dプリンターは、さまざまな模型や補綴装置を高精度、効率的に製造するために使用される特殊な歯科のデバイスである。多くの場合、手動の労働力や複数のプロセスを含む従来の方法とは異なり、3Dプリンターは付加造形の製造技術を利用して、スキャンからレイヤーごとにオブジェクトレイヤーを構築する。これらの3Dプリンターは、各患者の独自のニーズに合わせた非常に精確でカスタマイズされた歯科用インプラント、クラウン、ブリッジ、矯正装置、マウスガードなどに利用できる。特に歯科技工士において歯科医師との連携、補綴装置の製作において柔軟性、速度および制御を提供し、最終的に患者に恩恵の高いデバイスとして生産時間も短縮する。これまで、3Dプリンターは、多数個の装置を一度に製作できるメリットが注目されていたが、最近では、1個のクラウンを短時間で製作できる3Dプリンターも市販されるようになってきた。今後は、診療室にも配置できるコンパクトな3Dプリンターになっていくと思われる。

一般社団法人日本デジタル歯科学会第16回学術大会を2025年5月10日(土),11日(日)の両日にわたり、日本歯科大学にて開催させていただきました。⼤会参加登録者数は604名を超え、盛会のうちに無事現地開催を終了することができました。
本大会は、メインテーマとして「デジタル技術の潮流と革新 -デジタル技術は歯科医療を変革したか?-」とし、その疑問を明らかとできる素晴らしい演者に恵まれました。デジタル技術が歯科医療にもたらした変革について、まずは2つの特別講演から始まり、9つのシンポジウムならびに企画講演、そして一般講演も口演6演題に加えてポスターが37演題となり、さらに、多くの企業さまのご協力を得たスポンサードセミナーやランチョンセミナーと非常に盛りだくさんの内容で、デジタル技術と日常臨床とが複雑に絡み合った“変革”をご堪能いただけたものと確信しています。これもひとえに皆様⽅のご指導ならびにご協⼒の賜物と、厚く御礼申し上げます。
運営にあたりましては不⾏き届きの点も多々あったかと存じますが、何卒ご容赦のほどお願い申し上げます。
来年、大阪で開催されます第17回学術大会でみなさまとお目にかかれることを楽しみにしています。
おめでとうございます。
受賞者:芳賀 秀郷 先生
(昭和医科大学歯学部歯科矯正学講座)
受賞者:井上 絵理香 先生
(神奈川歯科大学歯学部歯科診療支援学講座歯科技工学分野)
受賞者:中島 春香 先生
(東京科学大学大学院医歯学総合研究科口腔基礎工学分野)
その他ご発表頂きました皆様もありがとうございました。
顕彰委員会 委員長 水木信之


『歯科診療に関連するデジタル技術の専門的知識ならびに臨床技能・経験を有する優れた歯科医師をデジタル歯科専門医として認定し、デジタル機器の基礎知識ならびに最新情報を普及することを目指し、本会での講演等、その進歩・発展に寄与できる指導的人材を養成することを目的とする。』

下記の3つの条件を満たすこと。
- 日本国歯科医師免許を持つこと。
- 本学会会員歴3年以上
もしくは、日本歯科医学会専門分科会専門医の資格を有し、本学会会員歴1年以上。 - 必要な研修単位を取得していること。
学会やセミナーへの参加、学会発表および論文投稿により単位を取得します。
ハードルが高いように見えますが、論文投稿については、本学会学術誌および認定学術誌のほか、認定定期発刊雑誌への投稿も認められているため、挑戦しやすいと思います。是非、チェックしてみてください。

下記の3つ合格すること。
- 臨床実技試験(IOSコンペティション含)
- 専門医筆記試験
- ケースプレゼンテーション(発表当日 口述試験)
先生方が普段使い慣れた機種で試験を受けることができます。


筆記試験はデジタルデンティストリーの基本的知識を問うものです。
参考図書を紹介します。

専門医制度委員会
委員長 小川 匠 幹事 井川知子