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巻頭言
理事長

一般社団法人日本デジタル歯科学会
理事長 末瀬一彦

今夏も酷暑が続き、日本列島あちこちで豪雨による被害も発生し、温暖化現象による異常気象でしたね。被災されました会員の皆様方には心よりお見舞い申し上げます。

ようやく涼しさが戻り、しのぎやすい気候になってまいりました。

さて、9月初旬に日本歯科医師会の代表団として中国上海市で開催されましたFDI(世界歯科連盟会議)に出席してまいりました。世界の130か国以上の歯科医師会の役員が参加し、総会、オープンフォーラム、7ヵ国会議(パースグループミーティング)、日米、日独、日仏、日トルコなど日本歯科医師会は親交の深い国と個別ミーティングを行ってまいりました。総会・オープンフォーラムでは「フッ素塗布」「禁煙問題」などのテーマが取り上げられ、各国の実情について紹介されました。また7ヵ国会議では、「称号制度」「デジタルデンィストリー」「専門医制」などについて討論され、日本から「医療制度の現状」について提案し、各国と情報交換をしました。1週間の会期中の中日に行われる恒例の「ジャパンナイト」は毎年好評で、特に日本酒やお寿司が目当てで各国の重鎮も数多く出席され、最高に盛り上がります。私も日本歯科医師会の代表団の団長として、シドニー(2023年)、イスタンブール(2024年)に次いで3度目の参加になりますが、毎回一つの課題をもって臨んでいます。シドニー大会では「歯科医療費の海外比較」、イスタンブール大会では「歯科医療関係者の就業実態」について調査し、日本と海外の歯科医療の現状について比較検討してきました。デジタルデンティストリーは、日本に居れば海外に比較して遅れている感もしますが、アメリカやドイツの一部では日本以上に進化している部分もありますが、アジア諸国や多くのヨーロッパ諸国と比較すれば同等かそれ以上に発展し、とりわけ日本の皆保険医療にCAD/CAM冠やIOSが導入されていることは極めて異例で、先進歯科医療が国民に適用されていることには胸を張るべきでしょう。

TOPIC
第17回学術大会大会長挨拶
第17回大会

第17回大会 大会長
柏木 宏介(大阪歯科大学 有歯補綴咬合学講座 主任教授)

一般社団法人日本デジタル歯科学会第17回学術大会を2026年5月9日(土)、10日(日)の両日にわたり、グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)にて開催いたします。
本大会のメインテーマは「デジタルイノベーションの共創:未来を拓く歯科医療」です。デジタルデンティストリーは、補綴、技工、矯正、口腔外科、画像診断など多岐にわたる領域で急速に進展しており、臨床現場ではデータとAIに基づく意思決定が現実味を帯びてきました。単一技術の導入段階から、CAD/CAMや画像・センサで生じるデータを共通基盤で統合し、相互運用性と標準化を前提に“つなげて活かす”段階へ移行しつつあります。そこで本大会では、臨床家・研究者・産業界が垣根を越えて協働し、新たな臨床価値をともに創り出す「共創」を掲げました。

プログラムでは、大会長講演、特別講演、企画講演に加え、シンポジウム、歯科技工士ならびに歯科衛生士を対象としたセッション、特別/ランチョン/スポンサード各セミナーを予定しております。今回の特別講演では、大阪大学基礎工学研究科教授の石黒 浩 先生をお招きし、人とテクノロジーの関係性や医療の未来に関する示唆についてご講演を賜る予定です。また、9日(土)の夕刻には、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン内のパーティー会場にて、会員情報交換会を設けております。テーマパークならではの楽しい雰囲気のなか、情報交換を通して皆様の親睦を深めていただければ幸いです。
もちろん専門医ならびに技術認定士のケースプレゼンテーション、ポスターセッションも募集いたしますので、奮ってご応募ください。

大阪・中之島の地で、デジタルがもたらす歯科医療の現在地とこれからについて、大いに議論を深められれば幸いです。大会校一同、皆様の技術の向上と知識の獲得に資する学術大会となるよう鋭意準備を進めておりますので、本学会会員のみならず、多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。

■詳細につきましては、大会ホームページをご参照ください。
https://jadd17.com/

顕彰委員会報告
2025年度の学術賞および優秀賞の応募者の公募が11月より始まります。

学術賞には、Digital Science Award(DSA)および学術奨励賞があります。
Digital Science Award(DSA)は、本会の学術分野において特に顕著な功績が認められたものに与えられる賞で、学術奨励賞は大学院生ならびに若手研究者に与えられる賞です。
昨年度、Digital Science Award(DSA)には2名の公募があり、1名が受賞されました。学術奨励賞には2名の公募があり1名が受賞されました。

優秀賞には、優秀論文賞および優秀発表賞があります。
優秀論文賞は、表彰時期前年の1月から12月に本会会誌、デジタル歯科関連雑誌(電子版を含む)に掲載された学術論文筆頭者に与えられる賞です。優秀発表賞は学術大会において優れた発表をおこなった筆頭発表者に与えあれる賞です。昨年度、優秀論文賞には3名の公募があり1名が受賞され、優秀発表賞は2名が受賞されました。

年々公募は増えていますがまだ少ないため、先生方の公募をお待ちしております。

顕彰委員会

デジタル歯科学会専門医制度について
するぞうくん1
するぞうくんQ1
Q1 専門医制度とは?

『歯科診療に関連するデジタル技術の専門的知識ならびに臨床技能・経験を有する優れた歯科医師をデジタル歯科専門医として認定し、デジタル機器の基礎知識ならびに最新情報を普及することを目指し、本会での講演等、その進歩・発展に寄与できる指導的人材を養成することを目的とする。』

するぞうくんQ2
Q2 申請資格は?

下記の3つの条件を満たすこと。

  1. 日本国歯科医師免許を持つこと。
  2. 本学会会員歴3年以上
    もしくは、日本歯科医学会専門分科会専門医の資格を有し、本学会会員歴1年以上。
  3. 必要な研修単位を取得していること。
研修単位取得は大変なのかな…?

学会やセミナーへの参加学会発表および論文投稿により単位を取得します。
ハードルが高いように見えますが、論文投稿については、本学会学術誌および認定学術誌のほか、認定定期発刊雑誌への投稿も認められているため、挑戦しやすいと思います。是非、チェックしてみてください。

するぞうくんQ3
Q3 申請手順は?

下記の3つ合格すること。

  1. 臨床実技試験(IOSコンペティション含)
  2. 専門医筆記試験
  3. ケースプレゼンテーション(発表当日 口述試験)
実技試験が心配・・・。

先生方が普段使い慣れた機種で試験を受けることができます。

実技試験1 実技試験2
筆記試験難しそう・・・。

筆記試験はデジタルデンティストリーの基本的知識を問うものです。
参考図書を紹介します。

参考図書 クリニカルデンタルデンティストリー
目指そう!デジタル時代の【専門医】

専門医制度委員会
委員長 小川 匠  幹事 井川知子

*詳細はHPへ